読むふたり。

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あなたも希望難民?「ピースボートと承認の共同体幻想 古市憲寿」を読んで

希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想 (光文社新書)

希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想 (光文社新書)

今回読んだのはこちら。 あちこちのメディアにひっぱりだこ、30歳の社会学者・潔癖で毒舌な古市さんが著書。

古市さん自ら114日間も船に乗り込んで、「コミュニティ」と「あきらめ」をキーワードにピースボートを分析する、というのがコンセプトの本。 もともと古市さんが修士論文として書いたものが面白いというので本になったようです。


みなさんはピースボートと聞いてピンときますか?

http://img02.ti-da.net/usr/zubora/100514sk23k.JPG

このチラシなら見たことあるんでは...


これ、貼れば貼るほど貼った人の参加費用が安くなるようにできていて、それであちこちに貼ってあるというわけです。

ピースボートに乗る若者は4タイプ

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  1. セカイ型「セカイヘーワ!」
  2. 自分探し型「こんなはずじゃなかった」
  3. 文化祭型「なんかわかんないけど、毎日楽しい〜!」
  4. 観光型「ピラミッドとマチュピチュが楽しみ」

の4類型化ができる、と古市さんは言います。


「セカイヘーワ!」とか、古市氏の悪意というか軽い皮肉を感じますね(笑)

こういう随所にある遊びが、毒々しい笑いをこの本に加えていて、ほんと古市さんはユーモアがある方なんだなと思います...。


セカイ型は、掴みにくいかもしれませんが「憲法9条を守り、広めたい」「世界を変えたい」と「世界」「平和」をキーワードに承認を獲得している若者たちを指すそうです。もともと「戦争のあとをまわって現地の若者と意見交換をする」として始まったピースボートの理念にもっとも共感し、ピースボート運営の主体となっていく参加者たちのグループにあたります。


ただ、こういった若者たちの多くはピースボートから日本に帰ると具体的な平和へのアクションを起こすことはなく、古市氏は「本人たちはそのつもりがなくても、世界一周や世界平和は感動や盛り上がるためのネタだった、というのは言い過ぎだろうか」と指摘している。

しかしながら、ピースボートに最もなじんで交友関係を広く結んだ傾向のあるセカイ型と文化祭型は、帰国後そこで得た友人関係(社会関係資本)を活かしてルームシェアをしたり、仕事をしたりしていたそう。


観光型の若者は、学生やフリーターによりも正社員などに多く、冷えた目でセカイ型などを見たり、ピースボート内で起こるイベントや事件を傍観者として面白がる傾向があったそうです。

ピースボートで変わったことは何もなかった。みんな無駄に気持ちが熱くてひいてた。何熱く語ってるのみたいな。だけどそういう人ほど結局ニートしとるけん、早く行動しろよ(って思う)

という観光型に分類される参加者のコメントは辛らつです...。

9条ダンス

ピースボートに特徴的な活動が、9条ダンス。

憲法9条の理念をヒップホップのリズムに乗せて表現したダンスで、練習はほぼ毎晩行われ、一番多い時で100人ほどが参加していたそうです。

ポスターなどには政治色を感じませんが、実際は左翼的な立場を持っているということですね。

www.youtube.com

動画でありました!あれ、そんなヒップホップ感はありませんね。

( * しかしながら、古市さんが憲法9条条文の穴埋め問題を若い参加者たちに解いてもらったところ、正解者は122人中3人に過ぎなかったそうです、、条文の丸暗記なんで中学受験でもしないかぎりやらないだろうし、理念が分かっていればOKな気もするけど...それにしても低いようには思いました)

ピースボートは冷却装置

ただでさえ若者の貧困や格差問題が社会問題化するなかで、「大きな物語(こうすれば人生成功できる、この目的のために生きている..といったもの)」のない現代(=ポストモダン)における「自分らしさ」を求める競争のなかで「生きづらさ」を感じ、希望難民になってしまった若者たちにとって、ピースボートは「あきらめさせる装置」になりうる、と筆者は指摘しています。

ピースボートは若者たちの希望や熱気を共同性によって放棄させる機能を持つと言える。

つまり、「まだ見ぬ自分」や「生きる実感」を求める自分探しの旅という支配的価値から離れて、「世界平和」や「地球一周」という概念にコミットすることで、「自分を探さなきゃ」という熱を冷まし、「自分の役割はこれだ!」と思えることができた、ということです。


さらに、ピースボートはその「世界平和」という自身の提供する希望をも冷却する機能があるといいます。ピースボートの旅が終わった後、若者たちは出会った仲間たちと楽しく暮らしているが、もう平和を掲げて活動をすることはない。なぜなら、もうそういった理念を掲げなくても共同体を保つことができるからだ、と。

この社会という「クソゲー」

僕たちが生きるこの社会には、「クソゲー」と呼ばれるゲームの要素がいくつも含まれている。チュートリアルが不十分でゴールが不明瞭。自由度が高そうに見えて、実は初期パラメーターに大きく依存する行動範囲。セーブもできないし、ライフは一回しかない。

特に古市氏が問題と感じているのは、レベルアップ制度の不備だといいます。

フリーターを続けている場合や学歴がない場合でも、社会的地位を上昇させられるようなレベルアップのしくみ。

そういったキャリアラダーもないなかで、夢を追うのはあまりにもリスクがありすぎる、あきらめること(=社会的老化)が本人の幸福につながる、と筆者は主張する。その実行策のひとつが、「コミュニティ」であると。

そして、社会を変えていくべきは「共同体をただの居場所とは考えず、目的性の達成のためなら冷徹になれ、だけど対外的にはお茶目なエリート」であるとしています。

主観的〜な感想

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この本が出されたのは2010年。2015年の今は、ちょうど5年経って、ゆとり世代たちが20代になって若者入り、を果たした頃なわけです。

そのゆとり世代の一人、ザ・ゆとりとして思うに、この世代はかなり「あきらめること、自分の欲望を現実に適応させること」を得意としているのではないでしょうか。


カツマーよりもカツマーに対抗した香山リカの「勝間さん、努力で幸せになれますか」みたいな流れに象徴的なように、「頑張らなくても、いいんじゃないか」「ぬるぬる友達と暮らしていくの、ありだよね」みたいな感情が社会的に受け入れられやすくなって。


「この国は、少子高齢化して社会負担も大きくなって、人口も減って稼げなくなっていくし、離婚率は3分の1で若者の生涯未婚率は30%くらいの予想だけど...まあお金がなくても家族がいなくても、趣味や地元の仲間とつながってなんとか楽しく暮らしていけるよね」みたいな。


たしかに、若者個々人にとって、「このクソゲーから降りていいんだ」って思えることはすごく重要だと思う。けれど、多くの若者があきらめることが出来るようになってしまったら、この国はどうなるんだろう?その風潮により、エリートまでもあきらめるようになってしまったら?


やはり、社会総体として「あきらめるな、努力せよ、志を抱け、日本を世界を救いなさい」って教育するのは正しいように思われる。「あきらめさせない社会」は必要悪なのだ、と言うこともできるかも。

「マッキンゼー式ロジカルシンキング」に学ぶA4メモ書きでロジカルシンキング力を鍛える方法

レポートに追われ、更新が遅れました、すみません!><

今回はこれ。

マンガでわかる! マッキンゼー式ロジカルシンキング

マンガでわかる! マッキンゼー式ロジカルシンキング

A4メモ書き

最強コンサル集団マッキンゼー出身の著者。マッキンゼーでは瞬時に課題を整理し、問題の本質を見抜き、解決策を導く判断を下す「ゼロ秒思考」が求められるそうです。

それに対応するため、筆者が考えたのがA4メモ書きという方法。

やりかた

  • A4用紙を横置きにし、左上にタイトル、右上に日付を書き、本文は4~6行、それぞれ20~30字書く。
  • そのメモ1ページを1分で書き、毎日10~20ページ書く。
  • 言葉を選ばず、内容も吟味せず、頭に浮かぶままに書く。

これを続けることで、言語化能力が鍛えられ、自然とロジカルシンキングができるようになる、とのこと。

▼やってみた

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f:id:yomufutari:20150909002903j:plain A4じゃないですが。

ポイント

  • 1分で書く
  • 1テーマ1枚で書く
  • タイトルは疑問形にする。具体的に固有名詞を入れて書く。
  • 同じタイトルでも、気が済むまで何度でも書く
  • 重要だと思うタイトルに関しては、違う角度からも書いてみる(「論理的でないと2度と言われない為には?」だったら「どういう時論理的でないと言われるか?」など)
  • 見返す暇があったらその間もっと多くのメモを書くほうがいい(メモを3ヶ月後に見直す、というのは成長を実感できるのでオススメする)

一週間やってみて、体験記事みたいなのを書いてみようと思います!

電車広告でロジカルシンキングを鍛える

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  • この製品のターゲット顧客は誰か
  • 一番の訴求ポイントはどこで、それに成功しているか
  • 成功していないとしたらどこが不十分か
  • 自分だったらこの広告をどう変えるか?

理由は必ず3ついいなさい

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マッキンゼーではこう教えられるらしいです。

こうすることで、

  • 論理的思考が身につく
  • 意見に対して自信を持てる
  • 周囲から論理的思考をしていると評価され、信頼される

というメリットが「3つ」あるそうです。

マトリックスで頭を整理する

縦軸と横軸には、整理する上でもっとも重要だと考える2つの項目を選ぶ。

マトリックスは論理的思考を徹底することができるので、優先順位に沿ってあわてず、また抜け漏れなく行動することができる。

フレームワーク「3C」とは

もっとも有名なフレームワーク3Cは、

  • お客・市場
  • 競合
  • 自社

というビジネスを成功に導くために必要な3つの要素を指し、 ビジネスの客層はどういう人で、競合はどういうところで、そんな中で自分たちはどう勝負するのか

を徹底的に考え勝率を上げるというものだそうです。

本書では、問題をこの3Cに沿ってタイトル付けをし、分解してからメモに落とし込むという方法を勧めています。

感想

マンガでわかる! マッキンゼー式ロジカルシンキング

マンガでわかる! マッキンゼー式ロジカルシンキング

マンガでサクッと読め、感情論ではなく具体的な方法論に落とし込めており、実践しやすい。

2時間3000円のセミナーが1冊1200円にまとまっていて、何度でも具体例とともに読み返せるのだから、かなりお得なのではないでしょうか。

また、この本を読んで感じたのが、ロジカルシンキングはコミュニケーション力につながる、ということ。

ロジカルシンキングが「なるほどね」と相手に思わせることなのだとしたら、それは相手に自分の考えを理解してもらい、協力してもらうことにつながる。ロジカルに考え、その道筋をきちんと話すことができれば、多くの人から共感を得られる。

結論ベースではなく、理由を3つ言う。相手から「なるほど」を得れるように努力する。そのために実践しやすいフレームワークとして、A4メモ書きを実践しようと思いました。

ついに!ダンテ「神曲」を読破しました!永井豪のマンガでね!(笑)【感想】

ダンテ神曲 (上) (講談社漫画文庫)

ダンテ神曲 (上) (講談社漫画文庫)

ダンテ神曲 (下) (講談社漫画文庫)

ダンテ神曲 (下) (講談社漫画文庫)

なんとなく歴史の授業で聞いたことのある人は多いと思うけれど、実際になが〜い原典を読みきった人は、10万人に1人くらいなんじゃなかろーか、ダンテの「神曲」。


https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a9/Inferno_Canto_3_Charon_strikes_lines_107-108.jpg

キャー、怖い感じ!!

....

となって通り過ぎるのは勿体ない作品だと思いますよ!!

13世紀、映画もインターネットも無い時代に、これほど想像力たくましく、壮大なスケールで物語を描ききった人間がいたことに、きっとあなたも驚くはずです。

雑なあらすじ

イタリアのフィレンツェで、民衆の味方として活動していたダンテ。

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仲間の裏切りによって追放の身となってしまう。

フィレンツェを離れ、深い森の中をさまようダンテ。

もうこれまでか...と思ったところで、森から抜け出ることかできた。しかし、そこには虎と狼が。


...せっかく森から出たというのに...もはやこれまでかッッ!!


と思うも、そこに伝説のイケメン詩人、ヴェルギリウスが出現!

「どうやらお前が行くべき道はたった一つだ!地獄へ行くぜ!」「えっ俺みたいなパンピーが地獄行くとかマジか...」おじけづくダンテ。


しかし、のちにダンテが昔愛していたが若くして世を去った美女・ベアトリーチェが天国で、ダンテを助けようとヴェルギリウスを派遣してくれたとわかる!

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「行くっきゃねえええ!」やる気まんまんのダンテ。

そして、地獄 → 煉獄 → 天国 へと旅をする!

  地獄はすごい。いろ〜んな種類がある。

  • ずっと体が腐敗し続けるしすごーくかゆいけど、死ねない地獄 :詐欺師用
  • ずっと鬼に剣で刺され続ける地獄 :戦争をおこそうとした人用
  • 煮えたぎるタールに放り込まれて永遠の痛みに苦しむ地獄 :汚職を働いた人用

f:id:yomufutari:20150905011811j:plain

...

などなど。

なにがすごいか

スケールがすごい

圧倒的、圧倒的...! f:id:yomufutari:20150905012917j:plain

自由すぎる

教皇までもが煉獄で地面にはいつくばって苦しんでいる...!

2冊にまとまってるのがすごい

ちゃんと読み終わった後にカタルシスあるからすごい。

感想

読み応えのある本だった。

罪の定義が現代の発想からちょっとナナメ上いってる所も興味深かった。

永井豪氏は、小さいころ家に「神曲」の絵本があって(なかなかない話だと思うけど)、繰り返し読んでいたそうだ。

本人はあとがきで、漫画家として自分の作品に、幼少期に神曲を読んで幻想の世界を我が物にできたことが大きく作用している、と書いている。

わたしは他の永井豪氏のマンガをまだ読んでいないけど、はっきりとタイトルやあらすじ紹介からこの「ダンテ神曲」に似通った部分を感じることができた。

彼は、本来ハチャメチャな性格だそうだが、この本を読んだことが「悪いことはしまい」という心のブレーキになったのではないか、とも語っている。

すごく分かる気がする。このマンガを読みながら、わたしは自分の人となりについて無意識に振り返っていた。

あ、わたしこの地獄落ちるな...(笑) 

みたいな。


決めた。


わたしがもし人の親となった暁には、ダンテ神曲を読ませよう(笑)

ダンテ神曲 (上) (講談社漫画文庫)

ダンテ神曲 (上) (講談社漫画文庫)

ダンテ神曲 (下) (講談社漫画文庫)

ダンテ神曲 (下) (講談社漫画文庫)

「名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方」でコピーの発想法を知る【まとめ・感想】

こんばんは。

就活の面接で、ダラダラと話してしまい「要約力・表現力なさすぎだ、自分 !」と感じることの多いわたくしですが、

本日「だったら、極限まで要約と表現が要求されるっちゅうウワサのコピーライティングとか勉強したら...いいんじゃないの〜?」と思い、こんな本を読みました。

名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方 (日経ビジネス文庫)

名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方 (日経ビジネス文庫)


では突然ですがクイズです。

さて、あなたならどんなコピーを書きますか?

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目の見えない物乞いが道に座っています。彼は首に札を下げていて、そこには

私は目が見えません

と書いてあります。

詩人アンドレは、彼のために札の言葉を書き変えました。それからというもの、彼の前に置いたお椀にはコインの雨がふりそそぎ、通行人が優しい言葉をかけてくれるようになりました。


そう、アンドレは、

春はまもなくやってきます。でも、私はそれを見ることができません。

と書いたのです。

目が見えないことは、彼の姿によってわかることでした...だから、それ自体を書く意味はない。

目的は、読んでもらって、施しの気持ちをおこさせ、行動してもらうこと


これは、目的を果たしてこその言葉であること、コピーを変えるだけで人々の行動に大きな影響を与えることができるということを示す顕著な例です。

読み手に「自分に呼びかけている」と感じさせられるか

様々なサービスをなくしたことで、圧倒的に安い価格を成立させた航空会社、AIR DO。

こういう企業が、成功するか、失敗するかで、日本の将来は決まる、と思う。

というコピーを打ち出しました。

あなた」と直接的に呼びかけなくても、人々に「自分が、この国の将来を考えているか、問われているのだな」と感じさせる、秀逸なコピーです。

差別化する

http://www.littlewing-kakogawa.com/image/ind_t01.jpg

英会話教室Gaba。このあとに、「たとえばおいしい寿司を食べたいとき、天ぷらも焼き肉も寿司もありますという店より、寿司だけ専門にしている店に足が向くのではないでしょうか。」とつづきます。

的確なたとえ話で、「マンツーマン専門」であることの価値を印象づけるスゴイ広告です。

後悔しないように、と迫る

人は健康な時に

そうじゃない自分を想像するのが、

なんて苦手なんだろう。

例えば、今あなたが50代だとします。80歳のあなたが想像できますか。元気でしょうか。好きな旅行に行っていているでしょうか。家族はどうしてますか。お酒は飲んでいますか。運動はつづけてますか。しあわせ、でしょうか。 わらかない----わからないですよね。

東京海上日動サミュエルによる、シニア向け住宅。

ココロが痛くなります。「人は健康なときに、健康じゃないときを想像できない。」とか言われたら「いや、私はわりと病気もしたし、想像できていると思うよ!?」と反発しますが、「なんて苦手なんだろう。」という〆が良いですね。

だれかの実感のこもったため息を聞いているようで、なんだか共感を誘います。

「コピーは読み手とのゲーム」

である、と筆者はいいます。

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どういうゲームかというと、読んでくれる人が、「それはトクだな、そうしないのはソンだな。」と思ってくれて、「もっともだなあ、道理だなあ」と納得してくれて、メッセージ通り行動を起こしてくれたら勝ちの、ゲームです。

そのために、広告を<道理><説明><メッセージ><オドシ>に分けると理解しやすいようです。

例に挙がっているのは、金鳳堂のメガネのクリアニング広告。

メガネは、涙をながせません。 <道理>

だから、クリアリング。これまでの洗浄と違います。メガネの新しい点検・整備。

目に入ったホコリは、涙が流してくれます。 <道理>

しかし、メガネはそれができません。 <道理>

汚れてもホコリが入っても、そしてネジがゆるんでもそのままです。 <説明>

ときどき総点検をしてあげましょう。 <メッセージ>

メガネは、もうひとつの眼なのです。<道理>

......

年に2度はクリアリングとご記憶ください。 <メッセージ>

あなたのメガネは想像以上に疲れています。 <オドシ>

そして、「メガネは涙をながせません。」の「ながせません」をひらがなにしたのも、ポイントなんだそうです。これがあることで、「メガネ」と「涙」のふたつが主役として目立つ、と。

発想の方法--「人と同じことを思い 人と違うことを考えよ」

死ぬのが恐いから飼わないなんて、言わないで欲しい。

飼いたいけど飼わないという人がいたら、伝えて欲しい。犬たちは、

あなたを悲しませるためにはやって来ない。

あなたを微笑ませるためだけにやって来るのだと。

どこかの神様から、ムクムクしたあったかい命を

預かってみるのは、人に与えられた、

素朴であって高尚な楽しみでありますよと。

これは日本ペットフードの広告で、児島令子さんが書いたものです。

彼女はこのコピーで賞をとりましたが、そのさいのコメントで

コピーって、企業の代わりになって書こうとしたらしんどいです。

ターゲットの気持ちを代表なんかして書こうとしてもしんどいです。

誰かの代わりにコピーを書くのはしんどいから、

誰の代わりにもならず、自分の気持ちでコピーにしていけたらいいな、

という野望を持ち始めてもう何年もたちます。

と話されていたそうです。


ほかには、「人と同じことを思い 人と違うことを考えよ」の例として、JTの広告で岡本欣也さんが書いた「あなたが気づけばマナーは変わる」シリーズの

700度の火を持って、私は人とすれちがっている。

や、

たばこを持つ手は、子供の顔の高さだった。

も挙げられています。

男の目、女の目、老人の目、子どもの目、外国人の目、鳥の目、虫の目、20年後の人の目、100年後の人の目...

いろいろな人の目から見て、立場から考えよう、視点・観点は世の中を見渡せばいくらでもある、と著者は語っています。

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そのうえで、

  • 情報:コピーの基本は説明力。内容がなければ説明できない。説明に足るだけの事実を知っているか、調べたか、人に話したいと思えたか。
  • 整理:より豊富に、親切に、条件内で説明するための情報の整理。
  • 表現:無駄はないか、いい余韻を残せたか。もっと適切な表現がないか

という3つの評価軸を紹介しています。

感想

正直、私はコピーを誤解していたな、と。

とりあえずなん百個もひねり出して、選んで、いいコピーが出てくる。名人だと、その確率が高くなる。


わけじゃなくて、


徹底的に、視点を洗い出す。インタビューして、「だれかに話したい!」事実を集める。

それを、削ぎ落として、魅力的な表現にして、吟味して、しまくって...。


たった、数行の、もしかしたら一行のコピーが出来る。


泥くさくて、人間らしいものの結果として、コピーが出来るんだなあ、と。


まだまだたくさんの事例が載っていて、非常に興味深い一冊でしたので、良かったらどうぞ。

名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方 (日経ビジネス文庫)

名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方 (日経ビジネス文庫)

【クマの後ろに利権が見えた?】TED2を観てきました【ネタバレ感想・批判的なので注意】

f:id:yomufutari:20150831220029j:plain かわいいクマのぬいぐるみの中身は下品なオヤジ、fuxxだのxxxxだのxxxxxxだの言いまくるギャップでお馴染みのTED2を観てきました!


ぬいぐるみが喋り出すとか、妖精が現れるとか、とにかく「小さくて可愛いものがパートナーになってくれる系」の映画は、このニッポンという国じゃ"あるある"すぎて、正直見る気なかったんですがTED1を観てみたらすごい笑えて。


もっと予算も注ぎ込まれているだろうしTED2はもっと面白いに違いない! (ピッチパーフェクトも2の方が断然おもしろいし...)と意気揚々と映画館の座席に座ったのですが...


正直言って、「前作の方が面白かったな。ストーリー全般もコメディも。」という印象でした。


まずね、

  • 謎のラインダンス...尺長いよ!ダンスを見にきてるわけじゃないの。
  • セクシーなお姉さんを出しとけば絵的に面白いし、クールでしょ?飽きないでしょ?って思い込みすぎ。
  • 笑いを薬物とエロに頼りすぎ。もっとポイント絞って使えばよかったのに。ヤクキメてるシーンで笑えたのは、やっぱり「かわいいぬいぐるみが吸う」とか「弁護士が吸う」みたいなギャップがあったからだけで、それ自体が面白いわけじゃない。ギャップでの笑いって一回しか取れないでしょ?
  • 心の機微が...全員単純すぎ。冷めきった夫婦 → 夫が「子供を作ろう!」と言い出す → 妻、それを聞いて一瞬でラブラブに!とか、ついていけないよ!前作はもっと丁寧だったでしょ。
  • さんざん「これ黒人の〜だからなくなっちゃってよかったわ」「ああそう」みたいなギャグがあったのに、テッドが公平性とか訴えるのはちょっとね!("politically incorrect humor" が面白いのはわかってるよ。前作はウケたし)


前作より予算かけてるんだな、ってのはわかるんですが(ダンサーが多かったり、ギャラリーが多かったり。笑)

予算かけるとこそこちゃうし!!

なァんか冗長〜な印象。ああ、制作会社さんは、この大人気のクマを使ってどお〜しても第二作目を早いとこ出したかったんだな...という印象を観ている中で抱いてしまいました。

アメリカのレビューサイトも見てみました、平均より評価は低いみたいね...

さいきん洋画を観に行ってもモヤっと感が残ることが多々...><


丁寧な感情の描き方、質感、ストーリーを求めるならやっぱり邦画とか韓国映画なのかな? 笑

TED: 「ストレスとよき友になるには」でストレスの意外すぎるメリットを知った。

TEDで今まで観てきた中でもとくに印象に残っているのがこの動画です。

ケリーマクゴナガルさんは、日本でも「スタンフォードの自分を変える教室」で有名になりましたよね。

そんな彼女は、「告白させてください。過去10年間私が指導し続けた事は 人の健康の改善どころか害を及ぼしてしまったのではという事です。」と言ってスピーチを始めます。

ストレスは病気の原因になると何年も言ってきました。 調査では前年にひどいストレスを経験した人たちは 死亡するリスクが43%高かったのです。

しかしこのことはストレスが健康に害を及ぼすと 信じていた人たちだけに言えることでした。

ひどいストレスを経験しても ストレスが無害だと思う人たちの 死亡リスクは上がるどころか、ストレスが殆どなかったグループと比較しても、研究参加者の中で最も低いものでした。

驚きですね。

「ストレスが体に悪い」でなくて、「ストレスが体に悪いと思うことが体に悪かった」というのです。

メリット①:愛情ホルモンのオキシトシンを放出して、助け合えるようにする

f:id:yomufutari:20150820185647j:plain

オキシトシンは、人を抱擁する時に分泌されるホルモン。

ストレスを受けると、このオキシトシンの分泌が促されるというのです。それによって、スキンシップを求めるようになったり、共感する力が強くなったりしたり、自分の感じていることをだれかに話そうとしたりする、と。

メリット②:心臓の細胞を再生する

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オキシトシンが出ることで、心臓にも良い影響があるそうです。それは、心臓の細胞の再生です。ストレスは確かに心臓にダメージを与えるそうですが、オキシトシンがそのダメージを治すことで、より心臓は強くなるそうです。骨折して治るともっと骨が丈夫になる、というのと似ていますね。


それにしても...オキシトシンはなんてお役立ちホルモンなんでしょう。

自閉症児にたいして、東大の研究者がオキシトシンを点鼻薬として処方したらコミュニケーション能力の向上がみられた、というニュースもありましたよね。

www.jst.go.jp

実は私は「心臓も強くなるし、愛情深くなるし、コミュ力高まるし、これはサプリみたいに飲んだら、とっても良いんじゃないの...?」と思って、オキシトシンのスプレーを買ったことがあるんです(笑)

じゃーん。

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鼻から吸うタイプなんですけど、ス〜ハ〜って、試しているとぜったい「やばいクスリ、キメてるようにしか見えない」と言われますね。(そのあとでぜったい「試したい!」って言われるけどね...)

気になる効果ですが、実感ベースとしては、かなりあります。気持ちは明るくなるし、リッチなことをしている気分になる(見た目は別ね。笑)


物好きな方がいたらお試しくださいな。こーゆう感じで普通に売っているので。

ストレスからの治癒をより強力なものとするために、できること

経済的惨事や家庭危機などの 重大なストレスを経験すると 死のリスクが30%増加する、と彼女は言います。

しかしながら、重大なストレスを経験しながらも、他の人への思いやりに時間を費やした人々には、ストレスから来る死亡の増加は全くなかったそうです。影響 "ゼロ"、というのは本当にすごいですね 。


「情けは人のためならず」は真理だったんだナァと、感慨深いです。

スタンフォードの自分を変える教室

スタンフォードの自分を変える教室

スタンフォードの自分を変える教室

スタンフォードの自分を変える教室

悩みたくないけど、悩んじゃうあなたに。「悩む力 --姜尚中」内容と感想。

悩む力 (集英社新書 444C)

悩む力 (集英社新書 444C)

どんな本なのか

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苦悩する人間の価値の序列は、道具人のそれより高い

--フランクル

伝統的な慣習や信仰心が、かつては悩みの海の夜空に輝く星になっていた。 しかし、もはやそうした伝統や信仰心の残りがは消え失せ、現代人にとっては悩みの海はただ暗く、希望のないものに思えるかもしれない。悩むこと自体にも、価値を見出せない。悩みが、災厄にしか思えない。

しかし、そうだろうか。「悩む力」にこそ、生きる意味への意志が宿ることを、文豪・夏目漱石や社会学者・マックス=ウェーバーを手掛かりに考えてみるというコンセプトの書。


「知性とはどうあるべきか」「苦しみの元となる自我とは」「自由とは」「働くとはどういうことなのか」といった9つのテーマをもとに、「どのようにして悩みを乗り越えるか」「悩みとどう生きるべきか」について提言しています。


今回は「自我」「知性」「働く」に絞って内容をご紹介します!

現代だからこその生きる苦しみとは

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誰もが新しい情報技術とコミュニケーションを通じて繋がっているように見えながら、人と人との関係は消えゆく泡のようにはかなくなっている。多くの人がかつてないほどの孤立感にさいなまれているように見える。そうでなければ、これほどの自殺者の増加はないだろう。

加えて、「変化」のスピードが猛烈に速いということが現代人のたいへんな重圧になっている。不動の価値がほとんどなく、「変化するか、死か」という状況。それでいて、人間は「不動の価値」を求めてしまう。変化を求めながら、不動のものを求める。現代人は、相反する欲求に精神を引き裂かれている。

どうして夏目漱石とマックス・ウェーバーなのか

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いまを生きる我々の苦しみをたどると、西洋の模倣を始めた明治時代に行き着く。

そのとば口に立って、人間の行く末を見つめていた、慧眼の持ち主の一人が夏目漱石である。

漱石の作品には「文明というものは世に言われているほど素晴らしいものではなく、文明が進むほど人の孤独感は増し、救われ難くなっていく」という趣意のものが多かった。

21世紀最大の社会学者と呼ばれるマックス・ウェーバーは、社会学の中でも「世界宗教(キリスト教など)」にアプローチして、膨大な著作を残した。

著者は、その著作を読んでいく中で、夏目漱石とウェーバーが似ていることに気づくようになったという。

ウェーバーは近代文明の根本の原理を「合理化」であるとして、それによって社会が解体され、価値が分化していく過程を解き明かした。

それは、漱石と同じように、文明が進むほど人間が救いがたく孤立することを示していたのだ。

ふたつの世紀末

漱石とウェーバーが生きたのは、19世紀末から20世紀にかけてであり、われわれは 20世紀末から21世紀にかけて生きている。

つまり、100年の開きを挟んだ、「二つの世紀末」ということになる。

漱石とウェーバーに、「いま」私が注目するのは、二つの世紀末が非常に似通っている思うからだ。

1. ふえる心の病

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19世紀末、不況に見舞われたヨーロッパ諸国はさかんに他国に進出、日本も帝国主義にならった。資本主義は「国家のためにある」ものであり、「国民のためにある」ものではなかった。人間も消耗品のようにみなされ、国家の統制下に置かれた。

いまの日本でも、ニートやフリーター、非正規雇用の人々があふれ、社会問題になっている。人々を漏らさずトレーニングし、人材として活用するシステムが機能不全に陥り、多くの人が打ち捨てられているようなものだ。

おそらくそういった状況と関連して、うつやひきこもりとなって社会に溶け込めない人が後を絶たない。100年前の日本でも「神経衰弱」という心の病が社会問題になった。

2. スピリチュアルの流行

社会現象の面でも、19世紀末のヨーロッパでは「世紀末的」と形容される病的な文化が流行したが、現在のインターネットや仮想空間に似たものを感じる。


これらの状況をみるに、私は近代のとば口で発生した問題が、戦争といいう中間点で折り返して元に戻ってきた、という気がする。

「私」とは何者か

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「自分の城を築こうとする者は必ず破滅する」 ーヤスパース

在日朝鮮人として「自分が何者なのか」について悩みつづけていた著者。20歳のとき、両親の母国、韓国をおとずれたことで、「私が人生に対して問いかける」という態度から、「人生が私に問いかけている」という感じかたに変わったという。

自我が何かよくわからない、という人に著者は漱石の小説を読むことをすすめている。漱石は自我の問題に徹底的にこだわり、生涯それを書き続けたからだ。筆者はとりわけ漱石の「心」に感銘を受けたという。

心の主人公は、大きくなる自我にとらわれ、破滅してゆく。

誰もが、自分の城を強固にして、堀も高くしていけば、自分が立てられる、守れる、強くなれると思ってしまう。

しかし、そんなことはない。

ヤスパースが「自分の城を築こうとするものは必ず破滅する」と言ったように。自分の城だけを作ろうとしても、自分は立てられない。

自我というものは他者との関係のなかでしか成立しないからだ。

個人の心の問題を「脳」や「スピリチュアル」で解決しようとしたり、わざと鈍感になってみたり、周囲に心の壁を作ってみたり...。

こういうもので解決できるものではない、と筆者はいう。

正解はこれだ、と言う力はない、しかし、漱石はひとつ大事なヒントをくれていると筆者は指摘する。

「まじめ」であること

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まじめ、というのは中途半端の対極にあることば。

私は死ぬ前にたった一人でいいから、他人を信用して死にたいと思っている。あなたはたった一人になれますか。なってくれますか。あなたは腹の底から真面目ですか。--夏目漱石「こころ」より

まじめに悩み、まじめに他者と向かい合う。そこに突破口があるのではないか、と。

とにかく自我の悩みを掘って、掘って掘り進んでいけば、他者と出会える場所まで辿り着くと思うのです。

アイデンティティについて長年悩んできた著者だからこその、力強い言葉だ。

知ってるつもりじゃないか

著者は、「物知り」「情報通」であることと、知性は別物であると考えている。

ITに通じた若い人に、変に老け込んだ印象の人がいる。最初からものごとの先行きを予想してやめてしまうような。

著者は、これは、ものごとの原因と結果のパターンを情報として蓄えて、「知ったつもり」になってしまっているのが原因ではないか、という。

科学はなにも教えてくれない

マックスウェーバーは、人間の調和ある総合的な知性の獲得を断念することが、合理化の宿命であると考えていた。

ダンテになぞらえて、「すべての望みを捨てよ」と説いてすらいたという。

われわれは、未開の社会よりはるかに進歩していると思っている。しかし、間違いだ。われわれは電車の乗り方を知っていても、車両の動くメカニズムを知らない。 しかし、未開社会の人間は、自分たちの道具についてはるかに知っている。 したがって、合理化は生活についての知識を増やしてくれているわけではないのだ。

どのような知性を目指すべきか

筆者は2つの考え方があるとしている。

1. 「なにをすべきか」「なにが好きか」「なにを知るべきか」が調和しないということを覚悟しつつも、貪欲に知の最先端を走ってみる 、という知のあり方
2. 人間の肉体や感覚には限界があるのだから、自分の世界を広げるのではなく、身の丈にあわせてサイズを調整し、その世界にあるものについてはほぼ理解できている、という知のあり方

筆者は、現代において見落とされている、「前近代的な」宗教の伝統や習慣にも、人間がほんとうに知るべきものはなんなのかを考えるヒントがある気がしている、という。

「信じる者」は救われるか

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「信じる」という行為は、「ものごとの意味を問う」という近代的な問題と密接に関係していると筆者は考える。

前近代における宗教は、人びとの人生と一体化した、共同体の生き方そのものであり、制度であり、「私はなにを信じたらいいのか」という問いが生まれなかった。

だから、かつての人びとは「私の人生はいったい何だったのか」という飢餓感を感じることがなかった


宗教を抜きにして、自分がやっていること、やろうとしていることの意味を考える。これは、非常にきつい要求だ。

現代では、人びとが情報の洪水と化したメディアにさらされ、何を信じたらいいかわからない・何も信じるものがない、と無機的な気分になっているのではないか。

だからこそ、その虚無感を満たすものとして、スピリチュアルが魅力的に映っているのではないか。


しかし、著者はそれらを否定はしていない。

人がそれによってなんらかの答えや満足感を得ているなら、私はそれでいいと思います。

それが、その人にとって信じるのに足るものであるかどうかが大切であって、そう考えるかというのも個人の自由なのです。

だから、究極的には「信じる」とは「自分を信じる」ということになると思います。

・・・なるほど。

よくある昼ドラの「あなたを信じてたのに...!」って結局は「あなたは信じられるという、自分の判断を信じれると信じた」わけだから、相手を怒るのは筋違いなのかもしれない。



一行要約と感想。

要約すれば、「まじめに悩んで欲しい、それが生きる力になる」ということだと思います。


私が人生で一番悩んだのは中学生のときで、地元のいろいろな子が集まったわんぱくな小学校から、私立の女子校に行って、いろいろなカルチャーショックがあって、今までのやり方が通じなくて非常に悩みました。

周囲の話題は芸能人と、お金の話。全然興味ありませんでした。コミュニケーションがうまくとれない、別の動物のようだと感じたこともありました。


そのとき、なんとか上手くいく方法を探そうと、読書に励みました。

そのとき得たもの、考えたことが人生の軸になっていると思うことは多々あります。


大学に入ってからというもの、包容力のある環境のなかで私は悩むことを忘れていたような。

そろそろ、様々な漠然とした不安や違和感について腰を据えて悩もうかな、と思いました。

この本は「悩むこと」「悩んでしまう人」をトコトン肯定してくれる本です。