東大授業より:無神論の展開
無宗教・無神論の展開
従来の研究
無神論、無宗教にかんする学的言説
- 哲学タームとしての無神論・不可知論
- 日本人は無宗教論: キリスト教[教義、教団が明確]を宗教のモデルとして、それと比較するので、日本人は無宗教にみえるが、実はタイプのちがう宗教がある
宗教・無宗教という語・誕生の背景
90s後半から、ポストコロニアリズム的論調(明治の日本の知識人の対西洋コンプレックスが原因)
- 言語相対主義(言語決定論) => 学術概念の見直し
- 宗教という語ができたのは明治
- それまで宗教・無宗教という概念はなかった
- 日本人論とそれへの批判
ポストコロニアル: 植民地主義的な遺産がその後の社会や関係に、より深く、より持続的に食い込んでいることを意味。「終わらない植民地主義」ということが含意されている。
新動向: 欧米で社会学的実証研究が盛んに
無宗教Nonesの研究 (nuns: 尼さんと掛けている。若干侮蔑的) Non-Religion and Securarity Research Network 2008 など
背景:[宗教復興への反発/テロへの危機感, 進化生物学/認知科学]
過激な無宗教論者 Rechard Dawkins
「無神論は進化を理解することの必然的な延長である」と考えている。
イギリスの進化生物学者・動物行動学者である。The Selfish Gene(『利己的な遺伝子』)の著者。
研究領域
- Nonesはどういう宗教意識か
- Nonesにたいする差別
- Nonesの多様性を歴史的・地域的に調べる
Nonesの内訳
- 無神論者 atheist 神の存在を否定する人。それを積極的に宣伝する
- 不可知論者 agnostic (ハード: 神が存在するかは知り得ない, ソフト: 神がいるか私はわからない)
- 理神論者
- 人格神ではなく、Higher Powers を信じる
- 宗教に無関心
- 敵意もなく、無関心でもない: 信じようと思ったこともあるけど入りたい宗教がない
- 隠れNones
- 多文化主義的発想でChristian : なんとなく日本人だし仏教かな、みたいなのといっしょ。
Nonesの特徴
- 学力・学歴との相関 #=>そんななかった
Brightsと名乗る無宗教者集団があったため、関心が高まった。
- 白人、若い男性
- 独身
- 収入は平均より上
- 政治的に独立している 少なくとも保守ではない
- 経済的に活発なところに住んでいる
インドの無神論の特徴 Rationist
- イギリスの無神論者の影響をうけているが、主な違いは科学論争だけでなく社会改良運動を行うこと
- 魔女狩り、レイ進行、動物をそなえる、カースト制、幼児婚、女子の胎児中絶
- 推進 肉食とか
背景
- 1990以降ヒンドゥーvsイスラムの対立が暴力化したため、無宗教が一番と言って対抗
- Federal of Indo Rational Association